「平民根性」のままでいるか、「マインドを変えるか」の選択の問題

個人的にプロ野球問題などで感じた違和感や不気味さがまだ消化できないでいて、全然論理性がないけれども、思いついたことをとりあえず忘れないように記録。

震災後の混乱した状況の中でも、日本の民主主義の「世論」というのが、人口の大半を占める生産性の低い「サラリーマン」や何の生産的な活動も行っていない「主婦」や「年金生活者」による多数決できまるのだな、ということにいまさらながらながら気がついて、ちょっと愕然としたりもしている。

「震災後の東北の光景は戦後の光景にそっくりだ」

と80歳近くの年配の方が言うのもときどき耳にする。しかし、物理的に見える光景はそっくりでも、人間のメンタリティの部分ではその当時と比べると相当に劣化しているのではないか、という印象を持つ。

なぜなら、終戦直後はまだ大日本帝国憲法下であり、憲法上の身分制度が明記されている時代で、それなりのリーダーとしての責任を持った人間が社会の各所にいて、「平民」どもの「物資の買い占め」や「自粛ムード」の下衆な行動に対して

「この平民どもが!!」

と言って渇を入れて、社会全体を正しい方向に導こうとする機運は多少はあったのではないかと思うからだ。

現在は、「サラリーマン感覚」や「主婦目線」などの「平民根性」世論に、「正社員サラリーマン」で構成される大手メディアも同調してしまっていて、それが作るムードによって国のリーダーも決まってしまっている。

結果、今の総理大臣は「市民活動上がり」の政治家だし、節電を担当する大臣はクラリオンガール上がりの本当に日本人と呼べるのかも分からないような主婦が就いている。

その節電担当の大臣が、たかだか平民の数千世帯・数時間程度の停電の「不便」に大いなる理解を示し、健全でかつ影響力の大きい営業活動を開始しようとしたプロ野球の経営者に対し「商業主義だと言われますよ」と平民根性に根ざした説教をし、何億円ももらって働いている使用者が「今はやりたくない」といって駄々をこねる行動を「素晴らしい行動だ」と言って絶賛している。結果、プロ野球は今まで以上に大きな経営問題に直面している。

やっぱり、不思議な光景だ。








このような、「平民の平民による平民のための政治」というのに、失望はするのだが、一方でそのような状態が今回の震災後、もう長続きしなくなるだろう、という部分では多少新しい希望もある。

経済生活というのは実に不安定で微妙なバランスの上で成立しているということを、今回の大震災によって、これだけ生々しく見せられた後でも、未だに東京でサラリーマンや主婦、年金生活をしている人は「自分の身だけは安泰だ」ということを疑いもなく信じているが、実際にはそれが壊れ始めている。

テレビなどの大手メディアによって演出されている「不謹慎」「自粛」ムードによって、関東ではもうすでに銀座や赤坂などの繁華街や、春休みににぎわうはずだった旅行・レジャー業界など様々な場所が大打撃を受けている状況だし、その他の産業でも一旦は強烈な不景気、恐慌といえる状態にになるところのほうが多くなる。

そうなると、当然失業者が増えてくるし、「平民根性」の状態で安穏としていられる人というのは、数としては少なくなるだろう。政府に助けてもらおうにも経済が全く回っていないので、政府にも配分できる財源すらない。サラリーにしても年金にしても経済が回らなくなって、財源がなくなれば支払うことができなくなる。自分で自分の首を絞めるのだ。

そういう状況になった時に、依然として「平民根性」のままでいるのか、状況を受け入れてマインドを変えて前に進んでいくのかというのは個人の選択でしかない。

東京では震災後に何の被害も受けていない人々の間で、マインドが冷え切ってしまった状況で不合理な自粛が続いていて、経済としての2次被害が拡大している。

一方で被災された地域で、すべてを失ってしまった方々の中には、自分が被災した次の瞬間から前向きな復興に向けて懸命に動いている人がいる。

ある状況の中で、どのようなマインドを選択するかは、個人の選択の問題にすぎない、ということを改めて感じさせられる。

参考:
ある仮想の状態を考えてみる
http://www.entrepreneurialstudy.com/blog/cat24/post-15.html

「アントレプレナー」の最初のメンタリティ
http://www.entrepreneurialstudy.com/blog/cat24/post-16.html

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このページは、が2011年3月29日 17:00に書いたブログ記事です。

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