事業を行っていく上での困難や危機は、適切な計画を行っていれば防げるはずの人為的な要因によってもたらされることが多くありますが、時には「自然災害」や「突発的な事故」など、まったく予想がつかない要因によってもたらされることがあります。たとえば、
地震
火事
台風
洪水
疫病
爆発事故
公的運送機関の運休
などです。
こういった自然災害や事故によって、これまで議論してきた
・商品・サービスの品質
・組織内の人的リソースの不足
・競合の発生・知的財産権の侵害
・内部情報の紛失・漏洩
・設備・施設・クリティカルパスの欠損
・経済状況(景気等)
・顧客等の外部からの評判
等の問題も、事前に想定していたものよりも、はるかに大きな被害をもたらされることになります。
事業を開始した直後の起業家の場合には、事業の経験も少なく、人的なリソースなども不足しがちなため、「既存の大企業や経験の多い他社であれば当然に想定しているようなリスク要因」を内包ながら事業を行ってしまっている可能性が高くなります。そのため、自然災害や事故のような誰も予想できなかった事柄だけではない、「事前に想定できない問題」も多く発生してしまうことになります。
ビジネスを行う上で「事前に想定していなかった問題」が発生してしまうことは、起業家の事業においては完全に防ぐことはできないものです。既存の大企業のような人的なリソースも十分にある企業であれば、それをできるだけ防ぐために「リスクマネージメントチーム」などを結成して、自社のリスク要因を洗いだすようなことに注力をすることもできますが、こういった活動は営業活動においては直接的な業績(利益)につながりにくいものであるため、事業開始直後のリソースの少ない起業家としては、当然行わなければならないことではあるものの、注力しにくい部分となります。そのため、起業家的な態度としては、「起こった問題に対して適切に対応する能力」がより求められることになります。