財務計画







 ビジネスを行う中で、「お金」はもっとも重要な指標であって、ビジネスプランのなかでもこの部分の計画を無視することはできません。起業家がビジネスプランを作成している段階では、まだ実際の顧客も存在していないこともあるので、その正確な予測を立てることは非常に難しい場合も多いものですが、それでも、ビジネスがどのように進めばうまく利益がでて、継続していける状態になるのかということについてしっかりとした計画を立てておくことは極めて重要なこととなります。

 財務計画をたてる際に、考えておくこととしては、たとえば以下のような事柄です。

初期コスト(会社設立費用、設備投資など)、
定期的な固定費用(地代家賃、人件費など)
売上ごとにかかる費用(原材料費、外注費、運送費用など)
単位販売価格、損益分岐点に達するための売上数、そこに達する時期の予測
現在の財務状況(手持ち資金・資産、既存の債務の有無など)
将来的に必要と思われる資金(追加の設備投資、開発費用)

 事業の収益モデルは、起業家が開始するビジネスによって様々に違いがあるので、これ以外にも財務的に考慮が必要なことはたくさんありますが、財務計画においては、考えられる費用リスクはできる限り詳細に洗い出し、計算ができている必要があります。

 ビジネスがビジネスとして成立するためには、これまでも何度も議論してきたように、「顧客がいること」が絶対に必要です。しかし、十分な数の顧客がいたとしても、「財務計画が杜撰であるためにビジネスが破たんする」というようなことは実際のビジネスの世界でも頻繁に起こることです。そのため、初期の段階で「顧客が獲得できなかった場合」「顧客からの入金が遅れた場合」などに、どの程度まで事業を継続していくことができるか、というようなことも、リスクとして計算できるようにしておく必要があります。

 また、ビジネスにおいてはそれを行う「タイミング」というのも非常に重要です。起業家が素晴らしいビジネスアイデアを持っていたとしても、それを行うための十分な資金がないためにタイミングを逃してしまうということも起こりえます。あるいは、ビジネスによっては小規模では利益が出にくいビジネスというのもあり、ある程度の規模を超えると急速に利益が高まるビジネスというのもあります。
そのような場合には、初期の段階で投資家や銀行に対して事業資金の提供を求めることもあるでしょう。

 投資家や銀行に資金の提供を求める場合などは特に、「ビジネスアイデアの優秀さ」や「顧客の存在」などとともに、財務に関しての計画が綿密に練られている必要があります。ビジネスは、最終的には、それがもたらす「利益の大きさ」によって評価されるものですので、ビジネスプランにおいても、この部分はより具体的かつ精密に計画を立てていかなければならないものとなります。

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出口計画(Exit Plan)






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