起業してある人がビジネスを始めるにあたって、ビジネスプランを綿密に書いてから事業を始める必要はありません。ただし、起業するにあたり、考えておいたほうがよい事柄というのは多くあり、それらを整理するためにも事前にビジネスプランは作成しておいたほうがよいものといえます。先に述べたとおり、アメリカの起業家研修ではビジネスをスタートさせるにあたり、その実現可能性(フィージビリティ)の確認を重視しながら、ビジネスプランを作成することを重視していくことになります。
起業をするためのビジネスプランを作成するにあたって考えるべき大項目としては、たとえば以下のようなものになります。
・イントロダクション・背景
・ビジネスコンセプト(商品・サービスの説明)
・業界・マーケット分析
・顧客獲得方法・マーケティング戦略
・オペレーション・テクノロジー・経営戦略
・経営陣・チーム・組織化計画
・財務計画
・出口計画(EXIT PLAN)
これらの大項目中、新規にビジネスをスタートさせるにあたって、絶対に必要なものは、「ビジネスコンセプト」と「顧客獲得方法・マーケティング戦略」です。そのため、アメリカの起業家研修の中では、この部分を特に丁寧にやっていくことになります。
ビジネススタートアップに成功してから、起業家は「専門職的なプロセス」と「アントレプレナー的プロセス」にわかれていくことを説明しました。「専門職的なプロセス」に進む人の多くは、ビジネスプランで考えておいたほうがよいこれらの項目のうち、前半の部分(ビジネスコンセプト~マーケティング戦略)までを考えることが得意でも、後半の部分(オペレーション~出口計画)までを、あまり考えたことがないというようなことが多いようです。世の中には「ビジネスをスタートさせるのが得意な人」というのもたくさんいますが、その後、うまくやればアントレプレナー的なプロセスを経て事業を合理的に拡大できる可能性があるにも関わらず、結局のところ「専門職的なプロセス」にとどまってしまう人も多いのです。
起業をする際には、できればビジネスを始める前の段階から、始めた事業をどのように合理的に組織化して、どのように売却可能な状態に持っていけるかということを常に考えてビジネスを行ったほうが、大きな成功を勝ち取る可能性も高くなります。