ビジネスのスタートアップでは、「最初の顧客」が極めて重要です。それでは、ビジネスをスタートした直後に獲得したい「理想的な顧客」とはどのような顧客なのでしょうか?具体的な属性としては、実際にはじめるビジネスにもよるので様々ですが、大枠においては次のような顧客といえるでしょう。理想的な顧客とは、
「ありがとう」と言いながら(こちらに感謝したり喜んだりしながら)、利益のでる金額を何度も支払ってくれる顧客
といえるでしょう。このような顧客を、継続的に獲得していくことができれば、ビジネスは常に維持、拡大していくことができます。
もちろん、このような「理想的な顧客」を継続的にたくさん獲得していくのは簡単なことではありません。しかし、起業家は、こういう「理想的な顧客」を獲得していくための努力を常に行っていく必要があります。ビジネス・スタートアップの段階から、「顧客は安くないと買ってくれない」と決めてしまい、短期的な金銭を求める起業家というのは、こういう「理想的な顧客」を獲得するための努力を怠っている、ということになります。
アメリカでは、ある仕事を「外注」することを「アウトソース(outsource)」といいますが、日本語においては、「外注の業者」はたいていの場合には、「下請け」の業者として扱われることになります。特に発注元の企業が誰もが知っている大企業であって、その発注金額が非常に大きい場合には、その傾向が強くなり、「元請け」に対する「下請け」が従属的な関係を強いられることが多くなります。
本来的には、「外注の業者」というのは、提供している商品・サービスに対して適正な対価を受け取っている限りは、対等な関係であるべきなのですが、世の東西を問わず「お金を出している側」の立場が強くなりがちで、特に封建的な歴史や、言語構造になっている日本ではその構造が顕著になります。
自分でビジネスをする場合であっても、誰かに雇用者として雇われる場合であったとしても、「お金を提供する側」に対して、従順で従属的な態度をとることで金銭的な対価を得ていくということは、実は案外簡単にできることです。しかし、そういった関係でのビジネスは安定的な関係とはなりにくいものです。
そのため、ビジネスのスタートアップとして、最初から目指すことは「理想的な顧客」である
「ありがとう」と言いながら(こちらに感謝したり喜んだりしながら)、利益のでる金額を何度も支払ってくれる顧客
を常に獲得していけるように、自分の商品・サービスがその状態まで高めていくことになります。