エレベーターピッチの新潮流 ~ ネット動画での公開







 アメリカ国内で起業家研修を受けて実際に起業する人にとっては、エレベーターピッチを作って、いつでもプレゼンテーションができるようにしておかなければならない、という考え方は非常に一般的になっているのですが、このエレベーターピッチにも新しい動きができつつあります。
それは、インターネット動画を利用したエレベーターピッチです。

アメリカのITを中心としたハイテクベンチャー関連の情報を提供している非常に有名なサイトに TechCrunch というサイトがあります。
(英語版 http://www.techcrunch.com/、日本語版 http://jp.techcrunch.com/) 
このサイトのサブドメインに、新進のビジネス・スタートアップからのエレベーターピッチの投稿を募っているサイトがあります。

Tech Crunch Elevator Pitches
http://pitches.techcrunch.com/

このサイトでは、スモールビジネスを行っている人が、自分のビジネスを1分以内のネット動画で発表する機会を提供されていて、それをあれこれと批評してもらうことができます。非常にたくさんのエレベーターピッチ型のプレゼンテーションが投稿されていて、ほとんどすべての動画が、ある1人の人の頭だけが撮影され、自分のビジネスアイデアを話しているだけ(トーキングヘッド)の動画になっています。英語の分かる人であれば、どのようなビジネスアイデアが高く評価され、どのようなプレゼンが酷評されるのかということも分かってきます。

アメリカでは、ベンチャー投資なども盛んに行われていますので、こういったことがきっかけで、新たな投資先を探している人が優れたビジネスアイデアを見つけて、それに対しての投資を行うというような話も、事例としては発生しているようです。

日本では、こういった形で起業家がビジネスアイデアを発表していたりすることは、米国と比べると非常に少ないようですが、それでも、ネット動画を使って起業家がプレゼンスをあげるということは非常に有用な手法になっていくことは間違いがないでしょう。

今現在、日本はインターネットのブロードバンドの普及率の点で行くと、アメリカなどとは比べ物にならないほど発達しており、しかも非常に動画好きです。Youtube を視聴している人の数では、日本人はアメリカ人についで二位になっており、そのほかの米国内の動画サイトも、日本で評判になってしまうと日本からのアクセスが殺到してしまい、インフラのコストの高いアメリカの回線ではパンクしてしまうため、「日本人対策として」アメリカ国外からのアクセスは制限されてしまっているほどです。また、Yahoo!やGoogleなどの検索エンジン対策としても、動画を利用することは非常に有利に働くとされています。

いずれにしても、より広い範囲の人々に対して「プレゼンスをあげる」ということが求められる起業家にとって、従来のウェブサイトに限らず、動画等を利用していくということは、極めて重要な要素となっていくでしょう。

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