適切な客はどこにいるのか? 具体的には誰なのか?







 ある人が、ものすごくよいビジネスアイデアを思いつき、それを実行しようとするとき、何度も言うように、それを本当にビジネスとして成立させるためには、絶対に「顧客いること」が必要です。思いついたアイデアが、衣食住にかかわるような「人間社会で絶対に必要なこと」と思われるような事柄であったとしても、日本国内の日本人の顧客を対象にするのであれば、対象顧客は日本国民以下の数になるはずです。しかし、ビジネスのスタートアップに限らず、どんな大企業が行っているビジネスであっても、その対象となる顧客群は、「日本国民全体」という抽象的な母集団にはなりません。

 飲食店を始めるのであれば、「日本国内に住んでいる人」からかなり絞り込まれて、「その近辺に在住または勤務する人」かつ「外食をする人」というようなところ以下に限定されていくことになります。最近はネットで通信販売などもできるようになっているので、それでビジネスをしようという人も増えていますが、ネットという膨大な可能性がある市場でビジネスをするにしても、日本国民全体から「ネットで商品・サービスを購入する人」という絞り込みがなされ、その中でさらに「自分のホームページにたどりつく人」という人がいて、ようやく「購入する」という決断・行動を得ることで顧客を獲得できることになります。

 自分のアイデアがいかに汎用的ですばらしいものであったとしても、起業をしたときに自分のお客さんとなってもらえるのは、具体的な一人(一社)の積み重ねでしかありません。ビジネスをスタートした直後というのは、ほとんどの場合、一般的に言われる経営資源としての「ひと、かね、もの」のすべてが極めて限定されている状況です。その対象を広げてビジネスを行うのは、たいていの場合は自殺行為で、待っているのはナイトメア(Nightmare =悪夢)です。そのため、スタートアップ直後の戦略としては、最も適切な顧客に対して集中的に告知をだし、効率的に顧客を獲得していく、ということが必要になります。

 対象の顧客を「全世界人口」「日本国民全体」というような漠然としたところから、自分にとって適切な規模、水準まで絞り込んでいくための基準にはたとえば次のようなものがあります。

・商圏の制限(展開する地域、人口)
・流通の制限(配送地域、配送日数、)
・告知手段、予算
・人的リソース など

 これらの、現在自分がビジネスを行う上での制約をいろいろと考慮した上で、自分が獲得できる、具体的な顧客像を適切に絞り込んでいき、そこに対して自分がアイデアとして持っている商品、サービスを提供していくことになります。

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「本当に客がいるか?」とにかくやってみる!! やってみないと分からない






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