アメリカの起業家教育で最初に行うこと







 日本で官民を問わず行われる「起業家研修」と比べて、アメリカの”Entrepreneurial Study”で行われる内容は、より実践的な内容を多く含むことが多いと筆者は感じています。そして、最初に行うことや、重点的に行うことがかなり違ってきます。

 MBAや地域の産学連携機関にせよ、民間の起業のサポートにせよ、アメリカの起業関連の研修においては、ほぼどこでも最初に行うことがあります。それは、

・各自(参加者全員)のビジネスアイデアの発表
・「エレベーターピッチ」のトレーニング
・フィージビリティ(Feasibility = 実行可能性)の確認

というようなことです。(この「エレベーターピッチ」をご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、これについては後ほど詳しく説明します。)

 日本の起業研修でも同様のことを行うことはあるでしょう。しかし、それらが順番的に最初に来て、参加者全員にやらせることはあまりないようです。なぜなら、日本のセミナーや研修では受講者に発表させようとすると、参加者から露骨に拒否反応を示されてしまうことや、当てられても「まだアイデアがありません」というような淡白な返答があることが多いからです。

 何度も言うように、アメリカのアントレプレナー研修やビジネススタートアップ研修といったものは、より切実な起業ニーズが先にあり、実践的に役に立つ内容を重視します。そのため、すでにビジネスアイデアはあることを前提として、そのビジネスをスタートするために最も大事なことを確認する作業を行ってから、その後のプログラムは進めていくことになります。ビジネスアイデアがない(持とうとしていない)状態で起業家研修を受けたところで、参加者に有意義なものとなりにくいため、そこの部分については「当然ある」という前提で話が進みます。

 私が参加したのは「日本人の参加者に向けた」アメリカの起業家研修だったのですが、その意味でかなり受講者を迎える側の講師陣は、かなり肩透かしを食らったような印象を受けたようでした。)

 日本の起業家研修でも、比較的高額な長時間にわたるようなコースであれば、全体が網羅する項目としては、米国のアントレプレナー研修と同様の内容になると思われます。しかし、2日間程度以内の比較的短期で安価に行われる米国内の起業家研修では、ほとんどこれだけで終わってしまいますし、長期のコースでもこの部分の時間配分は日本のものよりも、かなり多くなるといってよいでしょう。

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起業(ビジネス・スタートアップ)が成立するための必要十分条件






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