筆者が米国で受講したEntrepreneurial Study







筆者自身は2003年に日本貿易振興会(経済産業省)主催の

「米国ロサンゼルス・起業家研修プログラム(JETP)2003」

という、プログラムに米国で起業家研修に参加しました。

プログラムでは、南カリフォルニア大学(USC)のMBAでのEntrepreneurial Study(アントレプレナー研修)の実践的なベンチャービジネスの「起業ノウハウ」、「経営ノウハウ」など幅広い講座を受講のほか、LARTA(Los Angeles Regional Technology Alliance)という、ロサンゼルスの産学連携機関において、ビジネススタートアップ研修や地域のベンチャー企業でのインターン等の研修を受講しました。

日本でも、ここ数年は「起業」関連セミナーの盛り上がっていることや、「起業」という言葉を用いられているものの中身に違いがあることを書きましたが、私がアメリカで受講したセミナーと、現在日本で行われている「起業」に関連したセミナーとでは、これも同じ「起業」をテーマにしているものといってもその内容には、かなり違いがあります。

若干大げさに言うならば、日本で開催されている「起業セミナー」は「起業をしたいけれどもどうしようか迷っている人達(サラリーマン・主婦)」への「知的好奇心を満たすため」の参加が多いことを想定した内容であることが多いのに対して、米国でのEntrepreneurial Study は現実としてより具体的に起業を考えている人(或いはすでにスタートしている人)に対しての実践的な内容を主体としています。

日本での研修・セミナーというのは、起業セミナーであっても、座学中心で研修中は終始受講者は片方向的に受講者の講義を黙って聞くことが多いものですが、米国内の起業家向けの研修は特に双方向的なワークを行うことが多くなります。(起業家研修に限らず、アメリカのリーダーシップ研修などでも双方向的なものが多いのですが、特に起業家研修においては双方向のコミュニケーションを行うことが多いです。)

 残念ながらここでは、実際的な双方向のコミュニケーションワークは行うことができませんが、日本で行われている「起業家研修」と米国内で行われる「Entrepreneurial Study」とでは、日本では中心的に行われている「座学」で学ぶ内容についても、その内容に多くの違いを見出すことが可能です。

 ですので、ここでは日本国内の「起業家研修」と米国内の「Entrepreneurial Study」の本質的な考え方や思想の違い、教える際の優先順位の違いなどに着目して、日本とアメリカの「起業」に関しての文化の違いなどを考えていくことにしたいと思います。私が米国で起業家研修を受講したのは、5年以上前ですが、現在も本質的な部分については参考になる部分が多いと感じられます。それどころか、不況・リストラ・派遣切りなどの社会状況が、よりアメリカと近づいてきており、実践的な部分を重視した「Entrepreneurial Study」はより参考になるとすら考えられます。そのため、ここでは米国の「Entrepreneurial Study」のイントロダクション中のイントロダクションを提供していきます。

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より切実なアメリカの起業ニーズ






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